JSPCR2012(第24回日本色素細胞学会学術大会)
2012年11月11月24日―25日(滋賀県)
会場:長浜バイオ大学
会頭:山本博章教授
片山一朗
日本色素細胞学会は1987年に三嶋豊神戸大学名誉教授を理事長として設立された比較的新しい学会である。2009年から厚生労働省の白斑研究班の班長を務めさせて頂いた関係で、日本色素細胞学会にも参加するようになった。この学会は会員が200名くらいの比較的小規模な学会ではあるが、その分基礎、臨床のエキスパートの先生が参加される非常に密度の濃い学会でもある。また国際色素細胞学会(IFPCS)やアジア、欧州、米国色素細胞学会ともそれぞれ連携し、機関紙もPCMR (Pigment cell melanoma research)という皮膚科ではJIDについでIFの高い雑誌である。今回会頭を務められたのは山本博章:長浜バイオ大学教授で、もともと東北大学生命科学研究科から2010年に着任されたそうである。皮膚科医であれば皆さんご存じのメラニン生成の研究で世界的な業績を残された清寺眞先生は東北大学の皮膚科教授であり、初代教授の遠山郁三教授による遺伝性対側性色素異常症、太田正雄教授による太田母斑、伊藤實教授による伊藤母斑 、hypomelanosis Itoなど東北大学は色素細胞研究のメッカである。これらの偉大な先生以外にも名古屋大学名誉教授の冨田靖先生や、そのお弟子さんの鈴木民夫山形大教授、今回国際ワークショップでメラニン色素の細胞内輸送に関わるRab蛋白の新しい知見を発表された福田光則先生など錚々たる先生方がおられる。また今回国際色素細胞学会の理事会が同時に開催されたことで理事長のPicardo IRCCS教授(ローマ)をはじめ、Taieb教授(ボルドー)、Montoliu先生(マドリッド)、Larue先生(モントリオール)、Park教授(ソウル)、Parsad 先生(シャンデイガール)など多くの理事の先生が来日、講演された。私は前日の理事会と初日の講演発表のDutyがあったが、概ねすべての講演を拝聴することができた。福田先生のRabの話や東北大学皮膚科からのTLR2,3を介する、メラニン輸送の話は大変興味深く拝聴したが、残念ながら2日目は所用で欠席した。大阪大学からは種村篤先生、高橋彩先生がいづれも英語(一部日本語)で講演された。また壽、田中真理先生も出席され、質問をされていた。日本色素細胞学会理事長の國定隆弘先生が今回退任され、次期3年間は神戸大皮膚科の錦織千佳子教授が理事長を務められる。國定先生、錦織先生とも旧知の先生であるが、最近は特に基礎系のメラニン色素研究者が減少しており、是非臨床サイドからも会員、基礎研究者を増やして欲しいとのお話しがあった。来年の25回大会は大阪大学皮膚科が当番校で11月15(金 )〜16日(土)の2日間銀杏会館で種村先生を事務局長として開催させて頂く。参加費は可能な限り低く設定する予定で、多くの先生方の御來阪をお願いする次第である。
なお11月27日(火)17時から大阪大学医学部臨床研究棟3Fセミナー室で
Taieb先生の大学院セミナーを開催する予定で、興味ある先生は参加下さい。
山本先生作成の学会ポスターより
学会風景 WebmasterのMontoliu先生(マドリッド)先生の講演
次回 第25回日本色素細胞学会学術大会(大阪)
平成25年11月16日(土)~17日(日)
http://derma.med.osaka-u.ac.jp/jspcr25/
平成24(2012)年11月26日掲載