Vitiligo International Symposium 2016 (VIS2016) に参加して
壽 順久
ローマで開催されたVIS2016に参加してきました。 ローマは初めてです。ミュンヘン経由でローマ入りする予定でしたが、ルフトハンザがストで飛行機が飛ばないというアクシデントにみまわれ、ミュンヘンで1泊、翌朝6時に出発し、なぜかウィーン経由でローマ入りしました。僕の初めてのウィーンは滞在時間わずか10分で通り過ぎてしまいました。
VIS2016、その名の通り、白斑に特化した非常にマニアックなSymposiumですが、それだけに濃密な勉強をすることができました。マニアックなだけに参加数は少ないかと思っていましたが、意外と多くていつも部屋は満員でした。
今年4月に白斑会議で韓国を訪れた時に知り合いになったBae先生たちが発表した白斑の評価に使う解析ソフトは非常に面白いもので、彼らとEAVA(East Asia Vitiligo Assosiation)を通じて共同研究することとなり、今後が楽しみです。Vitiligoの今の主流は、John Harrisの引っ張るCD8とCXCL9, CXCL10、そしてJAK inhibitorになっていて、非常に多くの発表があり面白かったんですが、同時に、僕個人的にはそれが結構強引に決着をつけようとしているように感じて、もう少し検討が必要ではないかと思いました。
僕自身は、PD-1白斑とVitiligoの比較検討とそのメカニズム解析に関して発表させていただきました。PD-1白斑はメラノーマ患者さんに抗PD-1抗体を投与した時に出る副症状ですが(肺癌患者さんに投与しても起きません!)、白斑出現者は、抗PD-1抗体が非常によく効く傾向にあることから、白斑出現患者さんを調べることでPredictorになりうるんじゃないかと思って調べています。まだまだ先は長いですが、いい結果が出て欲しいなと思います。
今回3年目の島田先生も参加したのですが、幸か不幸かオーラルプレゼンテーションに当たりまして、直前にかなりテンパっておられましたが、本番は見事に原稿を読むことなく、発表されていました。僕の3年目の頃はそんなこと全くできなかったわけで、感服しました。すごいですねえ。
あまり時間がなくて、ローマ観光は突貫でしましたが、非常に美しい街並みで感動するばかりでした。惜しむらくは、巡った3人が全て野郎だったことでしょうか。それでもメジャーどころは押さえることができたので、充実したものだったと思います。
来年は、デンバーで国際色素細胞学会が開かれます。それまでにもう少し結果を出していい話ができたらいいなあと感じています。
ローマのパスタはミラノより美味しかったです。
見事に喋りきった島田先生、お疲れ様でした。
どうしても行きたかったコロッセオ、やっぱり感動しました。
平成28(2016)年12月15日掲載