大学院だより
大学院だより
小紫雄貴
平成23年卒の小紫雄貴です。
平成25年4月より阪大病院皮膚科で後期研修医として勤務させていただき、
平成26年4月からは博士課程の学生としてお世話になっています。
さて、今年ももう残り僅かというところで大学院便りを書くことになりましたので、拙い文章で申し訳ありませんがここに書かせていただきます。
私が配属されました教室は再生誘導医学教室という所で、玉井克人教授のもとでその名の通り主に再生治療に関する研究が行われています。
私はその中でも間葉系幹細胞(MSC)による治療とそのメカニズムに関して
研究を進めています。具体的にいうと、現在は強皮症モデルマウスをtargetとし、その線維化がMSCの作用により改善するのではないかということで実験を
重ねております。
ただ、実験を重ねていると申しましたが、実際のところは実験に関しては
ド素人でありまして、4月から何もわからない状態で実験を始め、非常に不安な毎日を過ごしました。(このように不安にかられて初めて、学部生の時の授業を真面目に受けておくべきだったな、と反省しております。)
しかし反省しても遅いので、先輩方や同僚に知恵と手を借り、やっと最近に
なって実験に慣れてきたところです。今後さらに腕を上げ、まずは論文を
書くということを目標に邁進していきたいと思います。
平成25(2014)年12月21日掲載
大学院生活の紹介
大学院生活の紹介
進藤翔子
平成24年度卒業、平成26年度入局・大学院入学の進藤(鈴木)翔子と申します。大学院入学のきっかけと大学院生活について、この場をお借りして紹介させていただきたいと思います。
私は、皮膚科医になろうと決めた研修医2年目の夏頃から、臨床だけでなく研究もいつかやってみたいと思うようになりました。具体的にこれをしたいとかいう強い動機があったわけではなく、どんな疾患でも発症機序が分かると面白いしやる気が出てくるので、自分でもひとつのことを深く掘り下げてみたいと考えていました。ちょうど、阪大皮膚科の病院見学の際に、片山先生と種村先生からお誘いいただいたこともあり、思い切って入局と同時に大学院へ進学させていただきました。大学院へは通常、臨床を2年以上やってから進学するのが一般的だと思っていましたので、この段階での進学はとても不安でした。しかし、臨床はいつでもできる、良い皮膚科医になるにはどの道が正解ということはない、というアドバイスをいただきましたし、実際には同期と比べて遅れはとるものの臨床に携わる機会もそれなりにあり、充実しています。
具体的には、週1回の大学の外来処置係(生検、光線治療、写真撮影など)、関連病院での外来業務、医局会への参加(写真カンファレンス、病理検討など)がDutyとなっています。他にも、大学のアトピー外来にて、アトピーや発汗異常のある患者様に様々な検査を行っています。皮膚科1年目なのでわからないことが多過ぎてつらいこともありますが、先生方に根気よく丁寧に指導していただき、少しずつ学んでいっております。誰かに聞くことができる環境は非常にありがたいものです。
大学院生としてのイベントは、抄読会、ラボミーティングがあります。抄読会は、論文の検索もままならない私には難しくてついていけていませんが、研究内容に即した基礎系の論文が取り上げられ、お互いの知識を増やすことができます。ラボミーティングは英語で研究内容を発表するという、英語ができない私には重圧のかかるイベントで、間違った文法のまま突き進んでいってしまいますが、文法云々よりも研究に関することに重点が置かれ、新しいアイデアをいただけたり、的確なフィードバックをしてもらえるので、とても勉強になります。
研究のほうは、室田先生に御指導していただきながら、口唇のバリア機能や唾液のペプチドについて調べています。他にも、lipid raftに関する研究に取り組む予定になっています。研究内容によっては、皮膚科の実験室で完結するのではなく、他大学へ短期出張させてもらったり、阪大の他学部の研究室と連携をとったり、共同研という施設を利用したりと、実験を進めるうえでの環境は恵まれています。しかし、医学科から大学院に行かれる方は大体みなさんそうだと思うのですが、理系の実験をほとんどしたことがなくて、最初はものすごい抵抗がありました。特に私は理系科目が苦手だったので、実験の仕組みがなかなか理解できず、難渋することが多いのですが、とりあえず手を動かしてみること、やってみることで少しずつわかってくるのではないかと思っています。蛋白の電気泳動、ウエスタンブロット、免疫染色、電子顕微鏡など、今まで聞いたことしかなかった手技を実際に自分の手でやっていくのは、楽しいですし、論文を読むときにイメージがしやすくなります。最後に、実験時間の確保についてですが、病棟受け持ちと当直が無く、比較的スケジュールをたてやすい環境だと思います。周りの先生方には感謝してもしきれません。
先日、阪大主催の日本研究皮膚科学会(JSID)に出席させていただいたのですが、発表はすべて英語で、研究テーマも多岐にわたっており、こんなに多くの先生方が日々研究に勤しんでおられるのかと感銘を受けました。大学院生は学会や研究会に参加する機会が多くなりますので、自然と意識が高まります。
まだまだ結果も出せていませんし、ご覧の通りの未熟者ですが、優しくて尊敬できる先輩方、明るくて楽しい実験室の雰囲気に助けられて、頑張ることができます。マイペースなのでこれからも周りに御迷惑をおかけすることかと思いますが、今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。
平成25(2014)年12月18日掲載
大学院生活が始まって
大学院生活が始まって
山賀 康右
H23年卒H25年入局の山賀 康右と申します。今年4月に入局と同時に大学院に入学させて頂きました。5月からは本大学の生命機能研究科・月田研究室に出向して研究を始めさせて頂いております。月田研究室は皆様も御存知の通り、タイトジャンクションの主要構成蛋白質であるオクルディンならびにクローディンを発見された業績のある、世界的にも御高名な研究室です。そちらでタイトジャンクションと皮膚について研究していきます。片山先生及び室田先生からは皮膚科医としての視点から、月田研究室の先生方からは細胞生物学者としての視点から、手厚く御指導頂いており、大変充実した毎日を過ごしております。
先日、研究室での抄読会で初めて研究論文を発表させて頂いたのですが、先生方からたくさん質問があり、激しいディスカッションを繰り広げさせて頂きました。そして、たった1篇の論文発表で90分もの時間が経過しておりました。私の拙い発表にも真剣に耳を傾けてくださり教室の先生方に感謝の気持ちでいっぱいなのと同時に、先生方の熱心さに脱帽しております。
先日、私の研究テーマについて、「後から草刈りに来た人が刈る草のない状態にしたい。」と指導医の室田先生がおっしゃっておりました。
その言葉が非常に印象的でした。その言葉を胸に日々実験に取り組んでおります。
臨床についても1年目で未熟者です。大学の外来ならびに外勤先の外来を担当させて頂いているのですが、そちらでも毎回たくさんの課題が見つかり勉強させて頂いております。臨床で判断に困ることがあれば、いつも室田先生に相談させて頂いており、熱心に御指導してくださるので感謝してもしきれません。
臨床も研究も未熟者ですが、先輩の先生方のような医師を目指して邁進していく所存です。今後ともどうか宜しく御願い致します。
平成25(2013)年7月14日掲載
大学院生便り
大学院生便り
神谷 智
平成22年卒、24年入局の神谷です。
私は初期研修2年間を住友病院で行い、3年目もそのまま住友病院の皮膚科で研修しました。本年度から大学院に進学し、竹田潤二先生率いる、環境生体機能学教室で研究に励んでいます
さて、1週間の流れですが
月曜日 この日と金曜日は一日実験のできる日です。時間がかかりそうなものをこの日に行います。
火曜日 午前診療、午後実験
水曜日 午前に勉強会があります。研究室メンバーの仕事発表のときと抄読会のときがあります。これが私の所属する研究室の特色の一つであり、特に抄読会の英語論文は非常に難しい上に、発表者以外の人もあてられてfigureを説明することになります。今までの臨床の知識だけでは太刀打ちできず、基礎医学の分野の知識も必要になりますので、この日に備えて前の週から予習します。
木曜日 この日は午前中、大学病院の外来で処置当番です。術後の処置を行ったり、皮膚生検を行ったりします。それが終われば実験です。
金曜日 月曜日と同じです。
土曜日 午前診療
という流れになります。このほかにも皮膚科で医局会や抄読会などがあり、時間があれば極力参加するようにします。
まだまだ知識的にも技術的にも追いつけていませんが、しっかり実験結果を残せるよう、日々精進したいと思います。
今後ともよろしくお願いします。
平成25(2013)年7月14日掲載
口腔アレルギー症候群
大学院生コラム
小野慧美
平成22年度卒業、24年入局の小野慧美です。初期研修の1年目を大阪府立急性期総合医療センターで、2年目を大阪大学で研修し、3年目に大阪大学皮膚科に入局させていただきました。研修医2年目にも皮膚科を選択していたので、入局後からあわせて1年半病棟を担当していました。
私は、皮膚科の分野の中でもアレルギーに興味があり、また学生のころからぼんやりと留学にも興味があったので、病棟を担当している時から大学院への進学を考えていました。ですが、皮膚科医として診断力や治療の選択などまだまだな私が、臨床を離れて研究に入ることには不安がありました。同期で入局されている先生の中では、3年目を外の病院で研修され、週何回とバリバリ外来をこなしている先生もおられたので、皮膚科医として4年目から研究をすることにとても悩みました。また、大学院の試験が英語の試験!!だというのもネックでしたが、なんとか合格し、今年から大学院に進学させていただくこととなりました。
大学院に入るからといって臨床から全く離れるわけではなく、外勤として一般外来も週2回こなし、また私の研究のテーマとして、口腔アレルギー症候群があり、月1回ですが、大学でプリックテスト外来もさせていただき、臨床でも充実した日々を送らせていただいています。
研究については、果物や、野菜などを食べると口がイガイガしたり違和感がでたりするような病気(口腔アレルギー症候群)についてELISA、免疫ブロット法などの検査をして、この病気の病態解明や、自然史などの解明をしていき、治療につなげていければと考えています。ほかにも、汗に関する研究などもさせていただくことになっています。
私はO型で大雑把なところがあるため、手技などに苦戦していますが、周りの先生方に助けていただき、日々楽しく研究しています。研究では実際に果物を使うので、週1回美味しい果物が食べれるのも楽しみの1つです♪
まだまだ臨床も研究も一人前にはほど遠いですが、今後とも頑張っていきたいと思います!!
平成25(2013)年6月26日掲載
研究生活の第一歩
研究生活の第一歩
永田 尚子
H19年卒・H21年度入局の永田 尚子と申します。
私は、初期研修2年間大手前病院で研修し、3年目に大阪大学皮膚科に入局しました。
1年間大学で研修させていただき、その後約2年間大手前病院に勤務しました。
片山教授、種村先生に勧めていただきH24年から大学院生となり、現在彩都西にある医薬基盤研究所 免疫シグナルプロジェクトというところで仲先生、世良田先生に御指導していただいております。
大学と医薬基盤研究所とは2駅しかはなれておりませんが、途中100段ある階段を毎日上り下りしており、かなりしんどいですがいい運動と思って上っています。
4月の末からこちらにくるようになったのですが、最初は正直すごくさみしく、慣れない環境にとても不安でした。けれども7月に入った最近では、徐々に新しい環境にも慣れ、同世代の多い中で日々楽しく過ごしています。
研究とは無縁の生活でしたので、見るもの、触るものすべてが新鮮で、ほんとまだ研究に関して一歩ふみだしたところですが、私の1週間についてご紹介させていただきます。
<週間スケジュール> | |
月曜日:午前から大学で外来処置当番、夕方から外勤務です。 なのでこの日は全く実験できません。で も夕方に外の空気がすえるのでいい気分転換です。 火曜日:この日は1日実験できる日です。(7月、8月限定で、隔週で外勤務) この日に時間のかかる実験をします。 夕方、大学にてラボミーティングがあります。 そのあと適宜、種村先生のもとで、実験のカンファレンスが行われます。 水曜日:朝は大学での抄読会のあと、基盤研に向かいます。 この日も1日実験ができる日です。 木曜日:朝は外勤務で、終わって基盤研に向かいます。 外勤務が終わってかえると、すでに3時をすぎること多いので大変です。 金曜日:朝は隔週で外勤務 電車通勤なので、どこに行くにも時間がかかりますが、現在のところはなんとか |
<研究テーマ>悪性黒色腫関連
まだまだはじまったところで分からないことが多いですが、目の前にあることを与えられた環境の中で出来る限り頑張ってやっていこうと思っています。
平成24(2012)年7月7日掲載
育児と大学院の兼業主婦便り-第2弾-
育児と大学院の兼業主婦便り 第2弾
山田 瑞穂
H16年卒・H21年度入局の山田 瑞穂と申します。
3児(H24年6月現在、2歳・4歳・6歳)の母です。
私の学年は、ちょうど初期臨床研修(スーパーローテ)の開始した第1期生であり、広島の国立病院機構 呉医療センターで研修、そのまま広島大学皮膚科に入局致しました。
その後、H21年度より主人について、大阪大学皮膚科でお世話になっております。
片山教授に勧めていただいたこともあり、H24年度より晴れて大学院生となり、片山教授、種村先生のご指導の下、研究に関してはド素人でまだまだ未熟ながらも日々奮闘しております。
研究テーマ:白斑と炎症、悪性黒色腫関連 | |
<私の週間スケジュール>
月曜日:大学にて外来(未熟なものでけっこう午後まで延長してしまっています・・・) そして、それ以外のフリーな時間を研究や勉強に使い、その合間に育児・家事をするといった日常です。 |
育児に関して ~子供との時間は? | |
どうしても平日は子供との時間がなかなか取れません。しかも、常に時間に追われているので、家では基本的に怒っていることが多いです(日々、反省です・・・) なので、できるだけお休みの日曜日には子供達と関わる時間を大切にしたいと常々思っており、怒らないように心がけています。(実際には、ついつい怒ってしまいますが・・・) |
家事に関して | |
家事は、最低限の事しかやっておらず、しかも疲れている時には完全に家事を放棄しています。お恥ずかしながら、ひどい時は1週間分の洗濯物が山積みになっていたり・・・、夕食もお惣菜やコンビニ弁当が続いたり・・・。子供の教育には非常によくないのは重々承知しております。 私の性格を考慮して、だいたいの事において寛容な主人も、いい加減我慢の限界が来つつあるようです・・・。 |
私なりの解決法 ★イライラや悩みを自分だけで溜め込まず、吐き出す。 |
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木嶋先生のコラムにもありましたが、現在の阪大皮膚科医局には育児とお仕事を抱えていらっしゃるお手本となる女医の先生達がたくさんいらっしゃって、本当に心強いです。 金田先生におかれましては見事に完璧に両立されており、本当に感服致します。(私にはとても真似出来そうにありませんが・・・)他にも、田中先生、荒瀬先生、村上先生、高橋先生、木嶋先生、もうすぐママになられる中野(田原)先生、皆さんの陰の努力を目の当たりにして、私も頑張ろうと日々勇気づけられております。 いつもいろいろ相談にのっていただき、愚痴を聞いていただける環境は、本当にありがたいです。 |
★子供は少しくらいは野放し状態で育てた方がしっかりすると自分に言い聞かせ、子供を信じて何でも任せてみる。 ★家事は最低限、家事よりも睡眠や自分のやりたいことをまず優先する。 |
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とにかく、子供との時間も家事も、日曜日でなんとか7割くらいリセットできていればいいかな~という気持ちで生きております。
このように、限りなく手抜きの育児・家事と周囲の皆様の支えの上に成り立っている私の今の生活ではありますが、私なりに一生懸命頑張っていこうともがいております。 |
平成24(2012)年6月15日掲載
育児と大学院の兼業主婦便り-第1弾-
育児と大学院の兼業主婦便り
木嶋 晶子
H15年度入局の、木嶋 晶子と申します。 2児の育児に追われながらも、片山先生、室田先生のご指導の下、アトピー性皮膚炎の疫学研究という、大変興味のあるテーマを与えていただき、格闘中です。片山教授と室田先生をはじめ、医局員の先生方のご理解あって、現在の私はフレキシブルな働き方をさせていただくことができており、日々感謝でいっぱいです。それでは、最近の私の生活についてご紹介させていただきます。
#1 子供との時間
⇒A/P)疫学研究は、自宅でもPCさえあれば、進めることができます。夕方から就寝までは、仕事はせず(子供にじゃまされてできない(T_T))、家事もほったらかして子供との会話や遊びを大事にするようにしています。子供と共に10時頃就寝し、午前3-4時に起床、その後、子供がおきるまでの2-3時間をフル活用しております。
月曜日:大学でしかできない用事がなければ、自宅で研究をすることにし、通勤時間が短縮される分、早めに子供たちを迎えにいくことにしました。
火曜日:外勤務。夜診があるため、近くの親戚にお迎えとごはんをお願いしています。
水曜日:回診とカンファレンス。自分の知識をアップデートできる貴重な日です。夜遅くなるので、ファミリーサポートを活用して、近所の親切な方のお宅にお迎えとごはんをお願いしています。
木曜日:外勤務。隔週で近くの親戚にお迎えとごはんをお願いしています。
金曜日:大学にて、片山教授や、指導医である室田先生にご相談できる貴重な曜日です。また、今年度から、統計解析について公衆衛生学教室の磯教授にもご指導いただけることとなり、この面会日も金曜日にさせていただいております。
#2家事
⇒A/P) 家事については諦めが第一。 自分がきれい好きでなかったことは神のめぐみです。ただし、自分よりちょっぴりきれい好きの主人は、ストレスがたまるようです。結婚6年を過ぎ、気付いたら、主人の掃除と洗濯と料理の腕があがっておりました。いい人と結婚したなあ、と感謝の日々です。
#3子育てに悩むとき、抱え込まないように☆
たまに、子育てに悩むとき、常勤生活では、時間に追われる中で一人で抱え込んでしまうことがありました。しかし、現在の阪大皮膚科の医局には、金田先生をはじめ、田中先生、村上先生、荒瀬先生、高橋先生、山田先生、竹原先生等々、子育てと仕事を両立できている女医さんがいっぱいいらっしゃいます。悩んだときは、先生方を見習って、相談ときには愚痴をきいていただきながら、ストレスをためないように過ごせております。
このように、「両立しています!」と胸を張って言える状態ではないのですが、毎日、使える時間内にできることをできるだけ集中してやれるようにしております。今、私が好きな研究をこのような環境で続けていられるのは、多くの方々の励ましと支えのおかげです。
将来は、アトピー性皮膚炎をはじめとした難治性皮膚疾患の診療に貢献できる皮膚科医に成長したいと思います。
平成24(2012)年6月8日掲載